COLUMN
士業(税理士・社労士・行政書士)が
電話代行を導入するメリット
申告書を作っている途中で、代表電話が鳴る。面談の最中に、別の顧問先から電話が入る。外出から戻ると、知らない番号の着信がいくつも残っている。税理士・社会保険労務士・行政書士の事務所では、こうした電話による中断が、繁忙期ほど重なります。
電話代行を使えば、電話に出る手間は減らせます。ただ、士業の事務所には、ほかの業種にはない心配もあります。外部のオペレーターが、顧問先の質問に答えてしまわないか。外部に電話を任せて、守秘義務の面は大丈夫か。本記事では、こうした士業ならではの論点を、法律の条文と省庁の資料をもとに整理します。
1. 結論:士業の電話は「受ける」と「答える」を分けると負担が減る
士業の事務所にかかる電話には、顧問先からの連絡、新規の相談、税務署や年金事務所などからの連絡、営業電話が混ざります。そのすべてに所長や担当者が出ていると、面談や申告書の作成が何度も止まります。電話代行に任せるのは名乗りと用件の聞き取りまでにし、専門的な判断はすべて事務所で折り返す形にすれば、業務を止めずに、専門家としての回答の質も保てます。
本記事では、士業ごとの電話の違い、導入のメリット、オペレーターに答えさせない理由、守秘義務の観点での確認点、電話の振り分け方を順に解説します。最初に、電話代行に任せることと事務所に残すことを、次の表に整理しました。
| 電話代行に任せる | 事務所に残す |
|---|---|
| 事務所名での名乗り | 税務・労務・許認可に関する質問への回答 |
| 発信者の会社名・名前・連絡先・用件の種別の聞き取り | 個別の案件についての判断や見通しの説明 |
| 営業時間・所在地など、事前に決めた定型の案内 | 報酬の見積もりや受任の可否の判断 |
| 聞き取った内容のチャット・メールでの報告 | 折り返しの電話と、その後の対応 |
「任せる」と「残す」の線をどこに引くかは、士業の法律と守秘義務の両面から決めます。理由は、4章(答えさせない設計)と5章(守秘義務)で説明します。
2. 税理士・社労士・行政書士で、電話の中身と忙しい時期が違う
「士業」とひとまとめにされがちですが、税理士・社会保険労務士・行政書士では、かかってくる電話の中身も、電話が集中する時期も違います。
2-1. 士業ごとに多い電話
3士業で多い電話と、電話が業務を止めやすい場面を比べると、次のようになります。事務所の規模や得意分野によって変わるため、一般的な傾向として見てください。
| 士業 | 多い電話 | 電話が業務を止めやすい場面 |
|---|---|---|
| 税理士 | 顧問先からの帳簿・領収書・申告の確認、年末調整や確定申告の資料のやり取り、新規の申告依頼 | 申告書の作成中、顧問先への訪問中、面談中 |
| 社会保険労務士 | 顧問先からの入社・退社の手続きの連絡、給与計算の確認、労務トラブルの相談、助成金の問い合わせ | 手続き書類の作成中、顧問先での打ち合わせ中 |
| 行政書士 | 許認可・在留資格・相続などの新規の相談や見積り依頼、手続き中の案件の進み具合の確認 | 役所への申請や書類の受け取りで外出中、面談中 |
行政書士の事務所は、許認可・在留資格・相続などで初めて連絡してくる人からの電話が多くなりやすい傾向があります。新規の相談者は、まだどの事務所に頼むかを決めていないことが多く、電話がつながらなければ、そのまま別の事務所に問い合わせが流れやすくなります。
一方、税理士と社会保険労務士の事務所は、顧問先からの電話が中心です。出られなかったときに困るのは、新規の取りこぼしよりも「信頼」の面です。必要なときに連絡がつかない事務所は、顧問先にとって不安の種になります。
2-2. 電話が集中する時期のカレンダー
公的な手続きの期限から、電話が増えやすい時期を表にしました。日付は、国税庁・厚生労働省・日本年金機構の公式ページの記載どおりです。
| 時期 | 主な手続き | 関係が深い士業 |
|---|---|---|
| 1月 | 法定調書(源泉徴収票など)の提出期限:支払の確定した日の属する年の翌年1月31日 | 税理士 |
| 2月16日〜3月15日 | 所得税の確定申告(令和8年分は、窓口での相談と申告書の受付が令和9年2月16日(火)から。申告期限は令和9年3月15日(月)) | 税理士 |
| 6月1日〜7月10日 | 労働保険の年度更新(令和8年度の年度更新期間は6月1日(月)〜7月10日(金)) | 社労士 |
| 7月10日まで | 健康保険・厚生年金保険の算定基礎届(令和8年度の提出期限は7月10日(金曜)) | 社労士 |
税理士は1月から3月、社労士は6月から7月に、手続きの山と問い合わせの山が重なります。この時期は所長も所員も手が離せない時間が長くなり、電話に出られない時間がいちばん増えます。なお、年度更新や算定基礎届の時期に電話が増えるというのは、手続きの期限から見た一般的な傾向で、件数を示す統計があるわけではありません。
行政書士は、時期よりも、許認可の更新期限や在留期限といった「お客様ごとの期限」に合わせて電話が集まります。
3. 士業が電話代行を導入する6つのメリット
電話代行のメリット全般は、電話代行のメリットとは?導入で得られる5つの効果を解説で解説しています。この章では一般論は繰り返さず、士業の事務所の場面に置き換えて、6つのメリットを紹介します。
3-1. 面談や申告書の作成を電話で止めない
確定申告の時期、申告書を作成している途中で代表電話が鳴るたびに手を止めていると、集中が途切れ、作業の時間が延びていきます。電話代行が受けて用件をチャットに残せば、作業の区切りでまとめて確認できます。面談中に席を外す必要もなくなります。
3-2. 顧問先からの電話を取りこぼさず、折り返しを約束できる
所長が顧問先を訪問していて事務所が無人になると、別の顧問先からの電話がつながりません。つながらない電話は、顧問先にとって「この事務所は連絡がつきにくい」という印象になります。電話代行が事務所名で受けて「担当から折り返します」と伝えるだけでも、連絡がついたという安心感は残ります。
3-3. 新規の相談を他の事務所に流さない
行政書士の事務所には、許認可の新規の相談が平日の日中に入ります。新規の相談者は、つながらなければ次の事務所に電話をかけることも少なくありません。会社名・名前・連絡先・相談の種別だけでも聞き取れていれば、その日のうちに折り返せます。
3-4. 営業電話を所長に回さない
会計ソフト、保険、Web集客などの営業電話は、所長あてにかかってくることがよくあります。断るときの文言や、用件だけ聞いて報告するかどうかなど、営業電話の扱いを決めておけば、所長が出る必要はなくなります。営業電話の扱い方は、「営業電話の対応は代行できる?」で詳しく紹介しています。
3-5. 繁忙期のために人を増やすより、費用が読みやすい
確定申告期や年度更新期だけ電話番のパートを探そうとしても、短い期間の採用と教育は負担になります。電話代行は月額料金と件数の枠で費用が決まるので、電話番を雇う場合と比べて、費用の見通しを立てやすくなります。
3-6. 少人数の事務所でも、電話の窓口を途切れさせない
所長と所員1〜2名の事務所では、全員が外出や面談で電話に出られない時間帯があります。事務所名で名乗る電話の一次受付を置けば、少人数でも電話の窓口が途切れません。なお、電話代行が引き受けるのは電話の一次受付で、来客の受付や庶務は含まれません。
4. 電話代行には「答えさせない」のが士業の安全策
士業の事務所が電話代行を使うときに、いちばん大事な線引きがあります。オペレーターに、専門的な質問には答えさせないことです。理由は、士業の法律が、資格のない人が行ってはならない業務を定めているからです。
4-1. 士業の法律が、資格のない人に禁じていること
3士業の法律で、資格のない人が行ってはならない業務の範囲を表にしました。
| 士業 | 資格のない人が行ってはならない業務(条文) | 電話代行での扱い |
|---|---|---|
| 税理士 | 税理士業務(税務代理・税務書類の作成・税務相談)を行うこと(税理士法第52条) | 一次取次に留める |
| 社会保険労務士 | 他人の求めに応じ報酬を得て、労働社会保険の書類の作成・提出代行などを業として行うこと(社会保険労務士法第27条) | 一次取次に留める |
| 行政書士 | 他人の依頼を受け、名目を問わず報酬を得て、官公署に提出する書類などの作成を業として行うこと(行政書士法第19条第1項。令和8年1月1日施行の改正後の条文) | 一次取次に留める |
税理士法第52条は、次のように定めています。
「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。」
税理士法では、税務相談も税理士業務に含まれます(第2条第1項第3号)。さらに国税庁の「税理士制度のQ&A」は、「業とする」とは税務代理・税務書類の作成・税務相談を反復継続して行うことなどをいい、「必ずしも有償であることを要しない」と説明しています(問6-1)。電話代行のオペレーターは毎日多くの電話を受けるため、税務の相談に答える運用を続ければ、反復継続して行っていると見られるおそれがあります。「無料で、軽く答えただけ」であっても、税理士でない人が税務の相談に答えることは避けるべきです。
なお、同じQ&Aによると、第52条に違反した場合は「2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」に処せられる場合があります(第59条第1項第4号)。
社会保険労務士法第27条と行政書士法第19条第1項が資格のない人に制限しているのは、書類の作成などの業務で、相談そのものは対象に含まれていません。ただし、個別の案件にどう答えるかは事務所としての判断であり、外部のオペレーターに任せる性質のものではありません。そのため、3士業とも結論は同じで、電話代行は「一次取次に留める」のが安全です。
電話代行を使うこと自体が、税理士法に反するわけではありません。問題になるのは、資格のない人が税務の相談に答える運用をした場合です。名乗りと用件の聞き取りに留めておけば、税務の相談に答える場面は生まれにくくなります。
4-2. 「答えてよい案内」と「事務所に回す質問」の線を引く
電話代行が、事前に事務所と決めた定型の案内をすることは問題ありません。線を引くのは、「事務的な案内」と「専門的な判断」の間です。
| 電話代行が定型で案内してよい内容 | 事務所に回す内容 |
|---|---|
| 営業時間・定休日・所在地・アクセス | 「この費用は経費になりますか」などの税務の判断 |
| 面談を希望する方の連絡先と、都合のよい時間帯の聞き取り(日程は事務所から折り返して決める) | 「この場合、社会保険に入る必要がありますか」などの労務の判断 |
| 初回の面談に持ってきてほしい書類の一覧(事務所が作った定型文) | 「この許可は取れますか」などの許認可の見通し |
| 担当者が不在であることと、折り返しの予定 | 報酬の見積もり、受任できるかどうか |
答えられない質問を受けたときにオペレーターが使う定型文を決めておくと、応対がぶれません。たとえば、次のような文です。
「ご質問の内容は、担当の税理士から折り返しご説明いたします。恐れ入りますが、ご連絡先とご都合のよい時間帯をお伺いしてもよろしいでしょうか。」
士業名の部分は、事務所に合わせて「担当の社会保険労務士」「担当の行政書士」に変えてください。電話の種類ごとに聞き取る項目は、6章の振り分け表にまとめています。
5. 守秘義務と個人情報の観点で、導入前に確認すること
「外部に電話を任せて、守秘義務は大丈夫か」。士業の事務所が電話代行を検討するとき、最初に気になるのがこの点ではないでしょうか。ここでは、条文と個人情報保護委員会のガイドラインをもとに、何を確認しておけば説明がつくかを整理します。
5-1. 3士業の守秘義務の条文
3士業の法律は、士業本人の守秘義務と、事務所の使用人その他の従業者(所員)の守秘義務を、別の条文で定めています。
| 士業 | 本人の守秘義務 | 使用人その他の従業者の守秘義務 |
|---|---|---|
| 税理士 | 税理士法第38条 | 税理士法第54条 |
| 社会保険労務士 | 社会保険労務士法第21条 | 社会保険労務士法第27条の2 |
| 行政書士 | 行政書士法第12条 | 行政書士法第19条の3 |
たとえば、税理士法第38条は次のように定めています。
「税理士は、正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、又は窃用してはならない。税理士でなくなつた後においても、また同様とする。」
社会保険労務士法の第21条が対象にしているのは、開業社会保険労務士と社会保険労務士法人の社員です。所員の守秘義務は、第27条の2に定められています。
条文が名指ししているのは、士業本人と使用人その他の従業者です。外部の電話代行会社がこれらの条文の上でどう扱われるかは、条文だけでは読み取れません。そのため、契約で秘密保持の条項を確かめることと、次の節で説明する個人情報保護法の「委託先の監督」で備えることが大切になります。あわせて、所属する士業会の会則や指針に、業務の外部委託についての定めがないかも確認しておきましょう。
5-2. 個人情報保護法の「委託先の監督」で求められる3つのこと
電話代行に受電を任せると、発信者の氏名・電話番号・用件といった個人データの取扱いを、外部に委託することになります。個人情報保護法第25条は、委託する側に次の義務を定めています。
「個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。」
個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は、この監督の中身として3つの措置を挙げています。士業の事務所が電話代行を選ぶときの確認に置き換えると、次のとおりです。
| ガイドラインの措置 | 電話代行を選ぶときに確認すること |
|---|---|
| 適切な委託先の選定 | プライバシーマークなどの認証の有無、個人情報の取扱いの方針が公開されているか |
| 委託契約の締結 | 利用規約や契約書に秘密保持の条項と、再委託の扱いが書かれているか |
| 委託先における個人データ取扱状況の把握 | 報告がどの経路(チャット・メール)で届き、通知先を誰にするか。通話を録音する場合は、その利用目的。 |
同じガイドラインは、委託する業務内容に対して必要のない個人データを提供しないようにすることを「当然のこと」としています。電話代行に聞き取らせる範囲を最初から絞っておけば、預ける個人データそのものが少なくなります。相談の中身を詳しく聞かせない運用は、4章の答えさせない設計と、守秘義務の両方に効きます。具体的に聞き取る項目は、6章の振り分け表を参考にしてください。
秘密保持の条項や録音の扱いなど、導入前に確認したい点があればお気軽にご相談ください
利用規約は公式サイトでご確認いただけます。
6. 士業事務所の電話は4種類に分けて渡す
士業の事務所にかかる電話は、大きく4種類に分けられます。種類ごとに「聞き取る項目・知らせ方・事務所側の動き」を決めておくと、その表がそのまま、電話代行に渡す応対ルールの下書きになります。
6-1. 4種類の振り分け表
| 電話の種類 | 聞き取る項目 | 知らせ方 | 事務所側の動き |
|---|---|---|---|
| 顧問先から | 会社名・名前・連絡先・用件の種別(帳簿・手続き・相談など)・期限があるか | 通常の報告 | 担当者がその日のうちに折り返す |
| 新規の相談 | 会社名または名前・連絡先・相談の種別(申告・労務・許認可など)・都合のよい時間帯 | 通常の報告 | 所長または担当者が早めに折り返す。相談の詳しい内容は折り返しの電話で聞く |
| 税務署・年金事務所・労働基準監督署など行政機関から | 機関名・部署・担当者名・連絡先・用件の種別 | 急ぎの報告 | 担当者が優先して折り返す |
| 営業電話 | 会社名・用件(聞き取る場合のみ) | 報告のみ、または断る | 対応しない |
名乗りは、4種類とも同じ事務所名にします。架空の例でいえば、「お電話ありがとうございます。サンプル税理士事務所でございます」のような形です。
相談の種別は「申告」「労務」「許認可」などの大まかな分類までにし、相談の中身は聞きません。4章の答えさせない設計と同じ考え方で、中身を聞かなければ、答える場面も生まれません。
行政機関からの電話を「急ぎの報告」にしているのは、期限のある連絡が含まれやすいためです。急ぎかどうかは、オペレーターが事前に決めたキーワードや発信元をもとに判断します。急ぎの報告をどう届けるか(電話で知らせる、報告の件名で目立たせるなど)は、サービスやプランによって異なります。当社の場合は8章で説明します。
6-2. 面談中・申告作業中の通知の見方を決める
通知の受け取り方を「すぐ見るもの」と「区切りでまとめて見るもの」に分けておくと、電話代行の効果が出やすくなります。
- すぐ見るもの:行政機関からの連絡、期限が迫っている顧問先の用件
- 区切りでまとめて見るもの:通常の顧問先の連絡、新規の相談、営業電話の報告
折り返しの順番は、「行政機関→期限のある顧問先→新規の相談→通常の顧問先」を基本にし、事務所の事情に合わせて変えてください。通知先のツールは、Slack・Microsoft Teams・LINE WORKS・Chatwork・メールなど、事務所でふだん使っているものにそろえると、見落としが減ります。
6-3. 繁忙期と時間外の案内を決めておく
確定申告期や年度更新期は、折り返しまでの時間が延びやすくなります。そこで、繁忙期は定型の案内を時期に合わせて変える運用がおすすめです。案内文の例は次のとおりです。
「ただいま繁忙期のため、担当から2営業日以内に折り返しご連絡いたします」
日数は事務所で決めてください。当社の場合、案内文の変更に追加料金は基本的にかかりませんが、大きな変更の場合は個別にご相談ください。
営業時間外の電話は、自動音声で営業時間を案内する運用が基本になります。時間外の扱いは、当社の場合を8章で説明します。
電話の振り分け方に迷ったら、入電件数と任せたい業務を伺い、対応範囲と費用をご案内します
受電の件数が分からない段階でもご相談いただけます。
7. 士業の事務所で電話代行が合わないケースと注意点
電話代行全般のデメリットは、電話代行のデメリット8つと回避策|向いていない会社の特徴も正直に解説で解説しています。ここでは、士業の事務所に特有の「合わないケース」を3つに絞って紹介します。
1つ目:その場で専門的な回答が必要な電話が大半を占める事務所
電話代行は一次取次なので、即答が前提の電話には向きません。かかってくる電話の多くが「今すぐ答えてほしい」ものなら、折り返しの手間がかえって増えます。この場合は、回答が必要な電話を事務所の直通番号に分け、代表電話だけを任せる方法があります。
2つ目:長い相談の電話が多い事務所
一次取次は、1回あたりの時間に上限があります(当社は5分)。相談の中身を長く話したい発信者には、用件の種別と折り返しの時間を伺い、詳しい話は事務所からの折り返しで聞く運用になります。
3つ目:夜間や土日にも有人の受付が必要な事務所
電話代行の有人対応の時間はサービスによって異なり、平日の日中を中心とするサービスもあります。当社の場合、時間外の有人対応は標準には含まれません。ご要望は個別にご相談ください。
注意点:専門用語と顧問先の社名は、読み仮名を先に渡す
士業の電話には、「算定基礎」「年度更新」「在留資格」のような専門用語や、顧問先の社名がよく出てきます。聞き間違いを防ぐため、よく出る用語や社名の読み仮名を、事前に電話代行へ共有しておきましょう。共有する顧問先の情報は、名前と読み仮名など、聞き取りに必要な範囲に絞ります。5章で触れたとおり、預ける情報が少ないほど、守秘義務の面でも説明がつけやすくなります。
8. 当社の受電代行サービスで士業の事務所ができること
ここからは、株式会社アップデートサポートの受電代行サービス「ファーストコールサービス」を、本記事の線引き(受けるのは電話代行、答えるのは事務所)に当てはめてご紹介します。
標準のライトプランでできること
標準のライトプランでお引き受けするのは、事務所名での名乗り、発信者の会社名・お名前・電話番号・折り返しの要否・ご用件の聞き取り、事前に共有いただいた定型のご案内までです。報告は、受電した日時と聞き取った内容を、Slack・Microsoft Teams・LINE WORKS・Chatwork・メールのいずれかにお届けします。
通知の届け先は、あらかじめ決めていただいた1か所です。所員ごとの振り分けは標準の対応に含まれないため、事務所の共有チャンネルを通知先にし、届いた通知の中で担当を決める使い方がおすすめです。
オプションで足せること
スケジュール・FAQ回答プラス(月額17,000円(税抜)〜)では、定型の質問への回答と、共有カレンダーを参照した空き状況のご案内に対応します。オプションで答える「定型の質問」は、営業時間・持参書類・面談の空き状況などの事務的な内容に限ります。税務・労務・許認可の判断は、4章の線引きと同じく、事務所に回します。
緊急対応・フィルタリングプラン(月額12,000円(税抜)〜)では、「税務署」「期限」など事前に指定したキーワードをもとにオペレーターが判断し、電話での連絡や件名【緊急】での報告を行います。対応内容を追加するプランをお選びの場合、月額基本料金はそのプランの金額に置き換わります。
当社の一次取次は、クレーム専用の対応窓口ではありません。カスタマーサポートは、当社の別サービスで対応します。予約は空き状況の案内までで、確定は行いません。
5章の確認3点に対する当社の事実
- 適切な委託先の選定:当社はプライバシーマークを取得しています(登録番号10825293)。
- 委託契約の締結:サービス利用規約に、秘密保持の条項(第12条)と再委託の条項(第3条第4項)があります。なお、現在は当社以外への再委託の予定はありません。
- 個人データ取扱状況の把握:通話は、電話内容の確認とサービス品質の向上のために録音し、当社の判断により一定期間の経過後に消去します。録音データは品質向上の目的にのみ使用し、正当な理由がある場合を除き、お客様(ご契約の事務所)にも第三者にも提供しません。
料金と契約の条件
ライトプランは月額9,000円(税抜)で、月50件までです。51件目からは1件200円(税抜)です。受電が多い時期に合わせて、ボリュームコミットプラン(100件16,000円〜(税抜)、200件28,000円〜(税抜))もご用意しています。料金の詳細は、公式サイトの料金シミュレーションでご確認いただけます。
件数は、オペレーターが対応した受電を1件として数えます。営業電話も、オペレーターが対応していれば1件です。誤接続や間違い電話など、サービスに関係のない内容でオペレーターが対応不要と判断したものは、件数に含めません。
契約期間は1か月単位で、これより長い最低利用期間はありません。プランの変更は次の更新日に合わせて行い、契約期間満了の5日前までにご連絡いただきます。繁忙期だけ件数の枠を広げたい場合も、この更新日に合わせた変更になります。
通常の電話のご利用にかかる費用は、月額とは別に、ご契約の電話会社から請求されます。
オペレーターによる有人対応は、平日9:00〜18:00です。時間外と土日祝は、自動音声でご案内します。時間外の有人対応は標準には含まれません。ご要望は個別にご相談ください。
お申し込みは現在、法人のみ受け付けています。税理士法人・社会保険労務士法人・行政書士法人は、お申し込みの対象です。個人で開業している事務所の方は、個別にご相談ください。
少人数の事務所の電話体制を、当番制・採用・電話代行で比べたページもご用意しています。少人数企業の電話対応|当番制・採用・電話代行の比較と運用例もあわせてご覧ください。
事務所の入電件数と任せたい業務を伺い、対応範囲と費用をご案内します
無料相談はオンラインで受け付けています。
9. よくある質問
Q1. 顧問先に電話代行が出ると、失礼に思われませんか?
オペレーターは事務所名で名乗り、用件を伺ったうえで「担当から折り返します」とお伝えします。顧問先から見れば、事務所の受付が電話に出た形になります。気になる場合は、受付の体制を変えたことを、顧問先に事前にご案内しておく方法もあります。
Q2. 顧問先の社名や専門用語を聞き間違えられませんか?
聞き間違いを防ぐために、よく出る社名の読み仮名や用語を、事前に共有しておくのが効果的です。共有する範囲は、聞き取りに必要な情報に絞ってください。
Q3. 月50件を超えたらどうなりますか?
当社のライトプランは、51件目から1件200円(税抜)です。受電が多い時期が続く場合は、更新日に合わせて、ボリュームコミットプランへの変更をご相談いただけます。なお、使わなかった件数の繰り越しはありません。
Q4. 営業時間外にかかってきた電話はどうなりますか?
当社の場合、時間外と土日祝は自動音声で営業時間をご案内します。時間外の有人対応は標準には含まれません。ご要望は個別にご相談ください。
Q5. 電話を転送すると、電話代はかかりますか?
通常の電話のご利用にかかる費用は、月額とは別に、ご契約の電話会社から請求されます。
Q6. 通話は録音されますか?
電話内容の確認とサービス品質の向上のために録音し、当社の判断により一定期間の経過後に消去します。録音データは品質向上の目的にのみ使用し、正当な理由がある場合を除き、お客様(ご契約の事務所)にも第三者にも提供しません。聞き取った内容は、チャットやメールの報告で受け取れます。
Q7. 個人で開業している事務所でも申し込めますか?
当社のお申し込みは、現在法人のみ受け付けています。個人で開業している事務所の方は、個別にご相談ください。
10. まとめ:電話を「受ける」のは電話代行、「答える」のは事務所
本記事の要点は、次の3つです。
- 税理士は1月〜3月、社労士は6月〜7月に、手続きと電話の山が重なる。行政書士は、お客様ごとの期限に電話が集まる
- 電話代行には名乗りと用件の聞き取りまでを任せ、税務・労務・許認可の判断はすべて事務所で折り返す。税理士法では税務相談も税理士業務に含まれ、「業とする」は必ずしも有償であることを要しないとされている
- 守秘義務の観点では、秘密保持の条項・再委託の扱い・録音の扱いを確認し、聞き取らせる範囲を最初から絞る
今日やることは1つです。まず1週間、代表電話にかかってきた電話を、顧問先・新規の相談・行政機関・営業の4種類で記録してみてください。
1週間分の記録があれば、それをもとに対応範囲と費用をご案内します
記録の途中でも、気になる点があればお気軽にご相談ください。
参考情報
一次資料(法令・省庁・士業団体の公式資料)
- 国税庁「税理士制度のQ&A」(令和8年7月1日現在の法令等に基づき作成)
- 日本税理士会連合会「税理士の100の提案」36. お客様の秘密を守る(守秘義務)(2026年10月26日閲覧)
- 厚生労働省 法令等データベース「社会保険労務士法」(2026年10月26日閲覧)
- 日本行政書士会連合会「行政書士法」(沿革付き条文、2023年4月掲載)
- 総務省「行政書士法の一部を改正する法律の公布について(通知)」総行行第281号(令和7年6月13日)
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(平成28年11月、令和8年6月一部改正)3-4-4 委託先の監督
- 国税庁「暮らしの税情報(令和8年度版)申告と納税」(2026年10月26日閲覧)
- 国税庁「法定調書の種類及び提出期限」(令和7年4月1日現在法令等)
- 厚生労働省「労働保険年度更新に係るお知らせ」(2026年10月26日閲覧)
- 日本年金機構「令和8年度の算定基礎届のご提出について」(2026年5月21日更新)



