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自治体の代表電話とは?よくある課題と電話対応の見直し方

COLUMN

自治体の代表電話とは?よくある課題と電話対応の見直し方

自治体の代表電話とは、住民からの問い合わせを最初に受け付け、内容に応じて担当課へつなぐ総合窓口の電話です。

市役所や区役所、町役場に電話をかけると、まず代表番号につながる。そんな経験、たぶん多くの人にあるはずです。住民から見れば「ひとまずここにかければ何とかなる入口」ですが、自治体の中では、その入口をどう回すかが意外と大きなテーマになります。

ごみの分別、税金、戸籍、福祉、子育て、選挙、施設の利用案内。代表電話には、部署をまたぐさまざまな用件が集まります。内容を聞いて、どの課につなぐべきかを判断し、必要なら補足しながら取り次ぐ。シンプルに見えて、実際はかなり神経を使う仕事です。

しかも、入口が混むと、住民は「つながらない」「たらい回しにされた」と感じやすくなります。一方で職員側は、本来の業務を止めながら電話に出ることになる。この両方が積み重なると、電話対応そのものを見直したいという話になってくるんですね。

この記事では、自治体の代表電話の基本から、現場で起きやすい課題、見直しの選択肢までを整理します。AIやDXの詳しい話は自治体の電話対応DXとは?代表電話の課題とAI・有人連携による解決策で深掘りできるようにしつつ、本記事ではまず全体像をつかめる内容にしています。

1. 自治体の代表電話とは

結論から言うと、自治体の代表電話は、住民からの問い合わせを最初に受け付ける電話窓口であり、用件に応じて担当課へつなぐ役割を持ちます。

住民にとっては「市役所に電話するなら、まずここ」。それが代表電話です。自治体全体の入口なので、個別の手続きに詳しい相談窓口というより、まず用件を受け止める役割が中心になります。

代表番号と各課の直通番号の違い

区分特徴
代表番号自治体全体の窓口として案内される番号。どの部署に相談すべきか分からない住民でもかけやすい一方、電話を受けた側で担当課を判断して取り次ぐ必要がある
各課の直通番号税務課、子育て支援課、市民課など部署ごとに設定された番号。用件がはっきりしていれば最初から担当部署につながるが、住民が部署名や担当範囲を把握していないと利用しにくい

民間企業の解説ですが、NTTネクシア「代表電話対応における6つの課題!残すメリットと廃止するメリットや代用サービスを紹介」でも、代表電話は組織の窓口、直通番号は特定部署や担当者へ直接つながる番号として整理されています。考え方自体は自治体でもほぼ同じです。

代表電話に集まりやすい問い合わせ

  • ごみの出し方や収集日
  • 住民票、戸籍、印鑑証明などの手続き
  • 税金や納付に関する確認
  • 引っ越しや転入転出の案内
  • 福祉制度や申請窓口の確認
  • 選挙の日程や投票所の場所
  • 施設予約やイベント案内

こうして並べると分かる通り、代表電話は単なる電話番号ではありません。住民対応の入口そのものです。そして、その入口の運用次第で、職員の負担も、住民の印象も、かなり変わってきます。

2. 自治体の代表電話に負担が集中しやすい理由

自治体の代表電話に負担が集中しやすい理由

自治体の代表電話に負担が集まりやすいのは、問い合わせの範囲が広いうえに、住民側からは組織構造が見えにくいからです。

たとえば「引っ越しの手続きについて聞きたい」という電話でも、内容によって市民課なのか、国民健康保険なのか、子育て関連なのか、税の話まで関わるのかが変わります。電話口で少し話を聞いてみないと、どこにつなぐべきか判断しにくい。ここがまず、自治体の代表電話を難しくしているポイントです。

自治体は部署数も多く、名称も住民にはなじみがないことがあります。住民からすると「市役所に聞けば分かるはず」と思って電話をかけるのは自然なことですが、受ける側は毎回その橋渡しをしなければなりません。

加えて、電話が偏る時期もはっきりしています。

  • 税の時期は納付や証明に関する問い合わせが増える
  • 引っ越しシーズンは転入転出や住民票関連が集中する
  • 選挙前後は投票所や期日前投票の案内が急増する
  • 大型連休前後や制度変更時も電話が増えやすい

NTT東日本「自治体の電話業務を生成AIで効率化するには?」も、自治体の電話業務では、窓口対応や事務処理と並行して電話対応を行う負担や、選挙前後などの問い合わせ集中を課題として挙げています。

ここで大事なのは、代表電話の負担は「電話が多いから大変」というだけではないことです。誰につなぐか判断する時間、確認のやり取り、折り返し案内、その全部が少しずつ積み重なっていくんですね。

なお、AIボイスボットや電話対応DXの詳しい仕組み、段階導入の考え方については、自治体の電話対応DXとは?代表電話の課題とAI・有人連携による解決策で詳しく整理しています。

3. 代表電話対応が職員に与える負担

代表電話対応が職員に与える負担

代表電話対応の負担は、電話に出る時間そのものより、業務が何度も途切れることにあります

現場では、総務担当や代表交換の役割を持つ職員が、まず電話に出て用件を聞きます。そのうえで担当課を探し、必要があれば相手に状況を補足して取り次ぐ。これを一日に何度も繰り返しているケース、少なくありません。

たとえば、書類を確認している最中に電話が鳴る。折り返しの依頼かと思えば、実は別の部署の問い合わせ。担当課に確認しているあいだに、窓口の来庁者対応も入る。ようやく元の作業に戻ろうとしたころには、さっき何を見ていたか少し頭を整理し直す必要がある。このような中断は地味ですが、かなり負担となります。

負担は繁忙期になるとさらに重くなります。特定部署に問い合わせが集中すると、その部署だけでなく、入口で受ける側の負荷も一気に上がります。つなぎ先が埋まっていて保留が長くなる、折り返し依頼が増える、住民の不満も強くなる。空気がぴりついてくる場面、想像しやすいのではないでしょうか。

もうひとつ見落としにくいのが、案内品質のばらつきです。制度や部署の理解が深い職員ならスムーズにつなげる一方、経験が浅い職員は確認に時間がかかることがあります。つまり、代表電話対応は属人化しやすいということです。

デジタル庁「自治体窓口DX」も窓口業務における属人化を課題として挙げていますが、電話の入口でも似た構図が起きやすいと言えます。

4. 住民側から見た代表電話の不満

住民側から見た代表電話の不満

住民側の不満は、たいてい「つながりにくい」「待たされる」「何度も説明させられる」に集まります。

代表電話にかけたのに、ずっと話し中。やっとつながったと思ったら、担当課確認のために保留。別の部署へ回された先でもう一度最初から説明する。自治体に限った話ではありませんが、こうした体験は印象に残りやすいものです。

よくある不満を整理すると、こんな形です。

  • 何度かけてもつながらない
  • 話し中が続いて急ぎの確認ができない
  • 担当課につながるまで待ち時間が長い
  • 用件を何度も説明することになる
  • 別の部署へ回され、たらい回しに感じる

住民にとっては、組織の事情より「必要なときに、ちゃんと案内してもらえるか」が大切です。入口の応対が不安定だと、自治体全体への信頼感にも影響します。少し厳しい言い方ですが、「電話がつながりにくい自治体」という印象は、それだけで損なんですよね。

デジタル庁「自治体窓口DX」は窓口DXの文脈で、住民の負担として「待たされる」「複数の窓口に回される」を整理しています。対面窓口だけでなく、電話でも似た不満が起きやすいと考えると理解しやすいはずです。

5. 自治体の電話対応を見直す4つの選択肢

電話対応を見直す方法はひとつではなく、体制見直しから外部委託、IVR、AI×有人まで複数あります

「もうAIしかない」と早く結論づける必要はありません。自治体の規模や電話内容、予算感によって、合うやり方は変わります。まずは、どんな見直し方があるのか全体像を整理すること。そのほうが、かえって判断しやすいです。

自治体の電話対応を見直す4つの選択肢

選択肢① 職員体制の見直し

増員や配置転換で電話対応の負担を分散させる方法です。

観点内容
メリット今の運用を大きく変えずに始めやすい/庁内知識を持つ職員がそのまま対応できる/住民への説明や例外対応に柔軟に対応しやすい
限界電話件数そのものが減るわけではない/採用、育成、引き継ぎに時間がかかる/繁忙期だけ負荷が跳ねる構造は残りやすい

MediaVoice「【自治体向け】電話対応の効率化で職員の負担を軽減する方法」でも、増員は負担分散にはなるものの、根本的な削減にはつながりにくいと整理されています。

選択肢② 外部コールセンターへの委託

電話の一次受付や定型問い合わせ対応を、外部のオペレーターへ委託する方法です。

観点内容
メリット職員の受電負担を減らしやすい/一定の応対品質を保ちやすい/繁忙期の受電量を吸収しやすい
注意点継続的な委託コストがかかる/自治体特有の制度や専門用語の共有が必要/庁内の運用ルールとのすり合わせが欠かせない

委託は便利ですが、丸投げすれば終わり、というものでもありません。特有の制度名や言い回しが多い分、事前設計はかなり重要です。

選択肢③ IVR(自動音声応答)の導入

音声ガイダンスで問い合わせを振り分ける方法です。開庁時間案内や担当窓口振り分けなど定型業務に向いており、職員が受ける前の段階である程度整理できます。時間外案内との相性もよい方法です。

向いている業務は次のとおりです。

  • 開庁時間の案内
  • 代表番号から担当課への振り分け
  • 施設の休館案内
  • 件数の多い定型問い合わせ

タカコム「官公庁・自治体向けソリューション」も、官公庁・自治体向けの課題として電話取次ぎ負担や時間外対応を挙げ、音声応答による転送や時間外案内を紹介しています。

選択肢④ AI×有人のハイブリッド運用

定型的な案内や一次整理はAIで行い、判断が必要な内容は人へつなぐ考え方です。定型問い合わせを減らしながら個別事情には人で対応でき、いきなり全面切り替えではなく、段階的に始めやすい点が特徴です。住民の利便性と職員負担軽減の両立を狙いやすい考え方といえます。

向いている業務は次のとおりです。

  • 開庁時間や窓口案内など、件数の多い定型問い合わせ
  • 担当課の振り分けが必要な一次受付
  • 繁忙期に問い合わせが集中しやすい業務
  • 時間外でも一定の案内を出しておきたい業務

一方で、次の点は押さえておく必要があります。

  • 個別事情の確認が必要な相談は、人につなぐ前提で考える必要がある
  • 自治体特有の部署名や制度名を反映できるよう、事前の設計が欠かせない
  • 導入後も、FAQや振り分けルールを見直しながら運用していくことが大切

AI×有人の仕組みや導入フロー、費用感は、自治体の電話対応DXとは?代表電話の課題とAI・有人連携による解決策で詳しく解説しています。基礎編から深掘りへ進みたい方はあわせてご覧ください。

6. 電話対応を見直す際に押さえておきたいポイント

電話対応の見直しでは、料金だけでなく、運用にちゃんと乗るかどうかまで含めて比較することが大切です。

比較のとき、つい月額や初期費用に目が行きがちです。でも実際には、安く見えても運用が回らなければ意味がありません。導入後に現場が困らないか。ここを外さないことが大事です。

電話対応を見直す際に押さえておきたいポイント

見ておきたいポイント

  • 料金だけでなく、どこまで対応してもらえるか
  • 自治体特有の部署名、制度名、専門用語に対応できるか
  • 個人情報や通話録音の管理体制が明確か
  • 導入後にFAQや転送ルールを更新しやすいか
  • いきなり全庁導入ではなく、一部業務から始められるか

とくに個人情報の扱いは、かなり重要です。録音データをどう保存するのか、閲覧権限はどうなっているのか、削除ルールはどうするのか。ISMSやプライバシーマークへの準拠状況を確認する視点は外せません。

自治体向けサービスでは、専門用語や部署名への対応力も差が出ます。制度名ひとつ違うだけで案内の精度は落ちますし、現場からするとそこがいちばん気になるところかもしれません。

そして、見直しは一気にやる必要はありません。問い合わせの多い一部業務から始める、小さく試し、必要なら修正する。そのほうが現実的ですし、庁内合意も進めやすいはずです。NTT東日本も、全庁一斉ではなく小規模なPoCから始める考え方を紹介しています。

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7. よくある質問(FAQ)

Q

Q1. 自治体の代表電話と各課の直通番号、どちらにかけるべき?

A

用件の担当部署がはっきり分かっているなら、各課の直通番号のほうがスムーズです。どこに相談すべきか分からない場合は、代表電話にかけるのが自然です。代表電話は、そのための入口でもあります。

Q

Q2. 代表電話の取次ぎ業務を効率化する方法は?

A

まずは問い合わせ内容を整理し、件数の多い定型問い合わせを見える化することが出発点です。そのうえで、職員体制の見直し、外部委託、IVR、AI×有人運用などを比較していく流れになります。電話対応DXの考え方や具体的な進め方を詳しく知りたい方は、自治体の電話対応DXとは?代表電話の課題とAI・有人連携による解決策もあわせてご覧ください。

Q

Q3. 電話対応を外部委託すると住民対応の質は下がらない?

A

必ずしも下がるとは限りません。むしろ、一次受付の品質が安定しやすくなる面もあります。ただし、自治体固有の制度や言い回しを十分に共有しないと、ちぐはぐな応対になることがあります。委託先の運用設計が大切ですね。

Q

Q4. 小規模な自治体でも電話対応の見直しは必要?

A

必要になることはあります。件数が都市部ほど多くなくても、少人数で複数業務を兼務している自治体ほど、中断の影響が大きいケースがあるからです。規模ではなく、どこに負担が偏っているかで考えるのが自然です。

Q

Q5. AI導入以外に予算をかけずにできる改善はある?

A

あります。よくある問い合わせを整理して各課の案内導線を見直す、ホームページ上で直通番号を分かりやすく案内する、折り返し運用やFAQ整備を進める、といった方法です。大きな仕組みを入れる前に、まず整えられるところから始めるのも十分ありです。

8. まとめ

自治体の代表電話は、住民対応の入口です。そして、その入口の運用を放置すると、職員負担にも住民満足度にもじわじわ影響します。

代表電話の見直し方はひとつではありません。職員体制の調整、外部コールセンターへの委託、IVRの導入、AI×有人のハイブリッド運用。選択肢はいくつかあり、自治体の規模や予算、問い合わせ内容によって合う形は変わります。

大切なのは、「何を入れるか」より先に、「今どこが詰まっているか」を見極めることかもしれません。入口の混雑なのか、取次ぎ負担なのか、繁忙期の偏りなのか。その整理ができると、次の一手も選びやすくなります。

AI×有人ハイブリッドの仕組みや費用感をさらに詳しく知りたい方は、自治体の電話対応DXとは?代表電話の課題とAI・有人連携による解決策もあわせてご覧ください。

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