AIエージェント2万5千個の次の一手
― Sky株式会社に学ぶ「便利」から「利益貢献」へのAI活用
Sky株式会社は2026年10月6日、社内に定着したAIエージェントが2万5千個を超えたこと、そして生成AI活用を「作業の効率化」から「利益への貢献」へ進める第2フェーズに入ることを発表しました。多くの企業が「AIを入れたが成果が見えない」と悩むなか、自社開発をやめて標準サービスに移行し、現場の自発性と評価の軸づくりに力を注いだこの事例は、AI活用を次の段階に進めるヒントになります。
事例紹介:自社開発AIから標準サービスへ
システム開発などを手がけるSky株式会社は、当初「SKYAI」という独自のAIツールを自社で開発・運用していました。しかし生成AIは進化が速く、追随し続けるには高度なエンジニアの確保と開発コストが重くのしかかります。そこで同社は、社内の優秀なエンジニアを付加価値の高いコア業務に集中させるため、Googleの「Gemini Enterprise app」へ全面移行する決断をしました。
移行後は、社内エージェントが2万5千個以上定着。同社は、自社開発を手放したことで全社的なAI活用のスピードが大きく上がったとしています。エージェント開発はトップダウンの強制ではなく、現場の課題解決の意欲から自発的に生まれた点も特徴です。
●活用を広げ、成果に結びつける2つの仕組み
- ✓AIマスター認定制度:高度な活用で周囲の業務改善を主導できる人材を認定して可視化し、各部門に自律的なAIリーダーを育てます。
- ✓AIエージェント祭り:売上向上やコスト削減につながった成果物を表彰する社内コンテスト。評価軸を「便利さ」から「商売への貢献度」へ移す狙いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入ツール | Gemini Enterprise app(自社開発のSKYAIから移行) |
| 社内エージェント数 | 導入5か月で2万個超(9月24日発表)、その後2万5千個以上が定着(10月6日発表) |
| 表彰制度 | 最優秀賞300万円、部門ごとの優秀賞100万円(応募は2026年12月末まで) |
※本リリースには、売上・利益・コスト削減額などの具体的な数値は記載されていません。
気づき・教訓:自社に活かす4つのポイント
AI活用は「つくる」より「広げて、成果で測る」
Sky社の取り組みから、中小〜大企業を問わず応用できる4点を整理しました。
- 1 AI基盤の自社開発が本当に必要かを見直す。標準サービスに任せ、人材を本業に近い仕事へ振り向けるのも有力な選択肢です。
- 2 現場の自発性を引き出す。強制よりも、現場が自分の課題をAIで解決できる環境を整えることが、活用の広がりにつながります。
- 3 推進役を見える化する。各部門のリーダーを認定して称えることで、社内に相談先と手本が生まれます。
- 4 評価軸を「作った数」から「事業への貢献度」へ。数が増えた次の段階では、成果で測る仕組みが欠かせません。
まとめ
Sky社の事例は、AI活用の課題が「導入する」から「成果につなげる」へ移っていることを示しています。まずは自社で、今あるAI活用を何で評価しているかを振り返ってみてはいかがでしょうか。便利さの先にある事業貢献を意識することが、次の一歩になります。
出典



