英バークレイズに学ぶ、
AI活用を「点」から「全社」へ広げる3つの入口
英大手金融グループのバークレイズが、生成AI「Claude」の全社的な活用状況を2026年10月1日に公表しました。社内の情報検索、システム開発、メール対応という性質の異なる3つの業務に、それぞれ異なる形でAIを組み込んでいる点が特徴です。
規制の厳しい金融機関がどのようにAIを広げているのかを知ることは、自社で最初の一歩を考える際の業務の選び方のヒントになります。
事例紹介:バークレイズが取り組む3つのAI活用
バークレイズが掲げた課題は、ソフトウェア開発の加速、古いシステムの刷新、そして業務全体の効率化です。世界規模で厳しい規制を受ける金融機関という前提のもと、ガバナンス(統制)、セキュリティ、人による監督を組み合わせながら、AIの活用範囲を広げています。
活用は大きく3つあります。1つ目は、2025年から稼働する社内ナレッジ検索「Colleague Knowledge Assistant」です。英国の従業員が顧客対応に必要な情報を探す際に使われ、1万6,000人以上が利用し、検索は100万件超に達しました。2つ目は開発支援で、AIコーディング支援の「Claude Code」を2026年末までに開発者の半数が使う見込みで、2027年には多数派へ広げる計画です。3つ目は、グローバルマーケッツ部門に届く顧客からの問い合わせメールを分類・補足・振り分けする仕組みで、1日約12万通を処理し、手作業を減らしています。
| 活用領域 | 内容と成果 |
|---|---|
| 社内ナレッジ検索 | 社内情報を探して回答を支援(RAG方式)。1万6,000人以上が利用、検索100万件超 |
| システム開発 | Claude Codeを2026年末までに開発者の50%が採用予定、2027年に多数派へ |
| 問い合わせメール処理 | 分類・補足・振り分けを自動化。1日約12万通を処理し、手作業を削減 |
気づき・教訓:自社に活かす4つの視点
AI活用を広げる4つのヒント
バークレイズの事例から、規模の大小を問わず応用できる視点を整理しました。
- 1 「探す」「分類する」「書く」など、性質の違う業務ごとに別々の使い方を設計する。1つの万能ツールを目指さない。
- 2 社内情報の検索支援は、利用者が増えやすく効果も見えやすい。最初の一歩として取り組みやすい領域。
- 3 件数が多く定型的なメール・問い合わせ処理は、分類と振り分けから自動化すると導入しやすい。
- 4 ガバナンス・セキュリティ・人による確認を最初から組み込む。段階的に利用範囲を広げる計画(開発者の半数→多数派)も参考になる。
まとめ
バークレイズの強みは、1つの業務で成功した後に、ほかの業務へ着実に横展開している点です。まずは自社の業務を「探す」「振り分ける」「作る」に分け、件数が多く、手作業の負担が大きいものから小さく試してみてはいかがでしょうか。
出典



